PBWについて
- h-konishi
- 2014年8月11日
- 読了時間: 3分
PBWというゲームのジャンルがあります。ノベルを読む進めていく形のゲームです。PBWとはプレイバイウェブの略です。
用意された世界観の中に自分が作ったキャラクターを置くことができます。ある物語に対して、キャラクターが自分で自由に行動を選ぶことができ、シナリオライターがそれを踏まえて物語をつないでいきます。
そんなPBWの一つである「らっかみ!」というゲームに、シナリオライターとして参加しています。PBWの世界ではゲームマスターとも呼ばれるそうです。
「らっかみ!」はほぼフツウの世界観がそのまま舞台になっています。ただキャラクター一人一人に特別な能力を少しだけ持たせることができます。最近では異能系と呼ばれるものですね。ジョジョなどをイメージすれば分かりやすいかもしれません。
ゲームユーザは自分の好きなキャラクターを設定でき、また一風変わった能力を持たせることができるのです。そしてシナリオライターが提案した物語に参加して、その中でキャラクターにどんな行動をとらせるかを自分で提案することができます。「らっかみ!」の世界ではこれを「アクション」といいます。物語に参加するキャラクターの人数はまちまちで、10人のときもあれば100を越えることがあります。この複数集まるアクションを精査して、シナリオライターは一つの物語として完成させます。これを「らっかみ!」では「リアクション」といっています。
ちょっと実態像がつかみにくいと思いますので、例をとってみましょう。
例えば「みんなで遠足に行こう」という物語がシナリオライターから提案されたとします。この物語に30人が参加したとして、30人それぞれのアクションが集まります。「牧場に行きたい」「海で泳ぎまくりたい」「仲のいい人と歩きながら会話をしたい」「お弁当の中身を交換したい」そういったものたちです。参加者のこのような希望を加味しながら、全員のアクションを統合して物語をつなぐのがシナリオライターの仕事になります。労働量としては結構たいへんです。
物語のジャンルは様々です。バトルものなら勝敗判定もあったりします。
このPBWの面白いところは、
「キャラクターの行動次第で物語の結末が揺れる」
というところにあると思います。厳密には、キャラクターの行動と、シナリオライターの采配次第、になるわけですが。
文章を読むのが好きで、既存の出版物では物足りなくて、自分で物語に参加したくて、たくさんの人と交流したくて、イラストなんかも欲しい。そういう人にPBWは向いているかもしれません。
ライター側から見てこのPBWというジャンルが凄いなと思う点は、アクションを通してユーザの方々とやり取りをするので、消費者との距離がとても近くに感じられる点ですね。評価もダイレクトに伝わってきます。その分改善点が見出しやすく、シナリオをたくさん経験するにつれて、ユーザに喜ばれるものはどんな物語なのか、コツをつかんでいくことができます。
といった制作サイドの意見はまた後々詳しく掘り下げるとして、このPBWというゲーム、あまり一般的には知られていないですが、知っている人はどっぷりとハマり、他では経験できないPBW特有の味に魅せられています。
PBWはゲームによって世界観は様々、ゲームのテイストも全く違っています。とにかく自由度が高い。ユーザ間との交流も濃くできるので、気の合う人たちとワイワイやれて楽しいところだと思います。興味がある方はぜひ一度、PBWに手を出してみてください。
自分がシナリオを担当しているのは「らっかみ!」です。どうぞよろしく!!

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